体のコラム

健康のために睡眠負債を改善!

皆さんは、睡眠負債(すいみんふさい)という言葉をご存じですか?
馴染みのある「寝不足」というのは、その1日に十分な睡眠が取れていない状態のことをいいますが、「睡眠負債」とはその「寝不足」が数日、数週間、数か月…と借金のように積み重なり、心身に悪影響を及ぼすおそれのある状態のことです。
実は2017年の流行語大賞にもノミネートされた言葉なのです。
それだけ日本社会に「睡眠不足だなぁ」と感じている方が多く、更には「身体にも良くないのでは? 」と危機意識が出ていることのあらわれですね。

今回は睡眠負債について簡単なチェック方や改善法をお話します。

1. 日本と世界各国の睡眠時間の比較

一般的に健康にいいとされるのは最低でも7時間睡眠と言われています。
下のグラフで各国の平均睡眠時間を見てみましょう。

各国の平均な1日の睡眠時間のグラフ

上記は29ヵ国を調査したデータを一部抜粋したものですが、1位の南アフリカと日本の差は1時間39分、29ヶ国中では韓国に次いで2番目に睡眠時間が短い国という結果でした。
厚生労働省の調査でも「6時間未満」の人が28%だったのが1年後には約40%に増え、「7時間以上」の人は35%から約25%までに減っています。
このように日本人の睡眠時間は年々少しずつ短くなり続けているのです。
また「平日は難しいけれど、休日はいつもより多く寝ているから大丈夫」と、思う方も多いと思いますが… 平日と休日の睡眠時間の差、「寝貯め」こそ実は睡眠負債を大きくする原因なのです。

2.私はどうなの? 睡眠負債を簡単チェック

それでは、どのような人が睡眠負債に陥っているのでしょうか。
今回は簡単に3つチェックリストをあげてみました。
どれか1つでも当てはまるようなら自覚症状はなくとも、あなたも睡眠負債の可能性が高いと言えるでしょう。

女の子が眠っているイラスト

A. 寝起きにスッキリしていない

これは、単純に睡眠時間が足りていないと朝起きた時に頭がボーッとして眠気が残ります。
睡眠は「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」つまり浅い眠りと深い眠りを繰り返すことで身体と脳を休めています。
通常は一晩に3~5回ほどこのサイクルを繰り返すのですが、近頃では夜中に目が醒めてしまう「中途覚醒」が増えていると言われています。
睡眠サイクルが不安定になっていくと熟眠感が低下してしまいます。
睡眠も年齢とともに変わっていくものです。その時の自分に合った眠り方を探していくことが大切です。

B. 昼よりも前に眠気がある

これは、朝早く起きた人を想定しています。
私たちの脳には、スッキリしている覚醒の度合いが繰り返される一定のリズムがありますが、大抵は起きてから3~4時間後に脳の働きが活発になるピークが訪れます。
その時間帯であっても眠気を感じるということは脳がパソコンのスリープ状態、つまり動いてはいても働いていないのです。
脳の働きをフル活動で朝から夜まで動かすためにも本来のリズムを崩さないようにしましょう。

C. 夜、横になったら一瞬で寝落ちしていまう

夜、一般的には10~15分程で意識が遠のき入眠していくのが自然なスタイルと言われています。
横になった途端、もう朝になっている…ということが多い方は、入眠が早いというより脳が休みたがっているサインです。

今回は簡単な3つの事例を紹介しましたが他にもたくさんの項目がありますので、今回当てはまらなかった方も自分は大丈夫と安心せずに、睡眠を見直してみてはいかがでしょう。

3. 睡眠負債が溜まるとどうなる

あるデータでは睡眠負債が溜まってしまうと認知症や高血圧、がんをはじめとする命にかかわるような病気のリスクが高まると言われています。
また、身体だけではなく精神疾患の罹患率(りかんりつ)にも強い相関関係があるといわれています。
これは思考や感情、記憶などをつかさどる脳の前頭前野(ぜんとうぜんや)や大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)の活動が低下することから理由づけられています。
また、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量まで多くなることでイライラしやすくなったり、仕事でもミスが増え追い込まれていったり…というように悪循環のサイクルが出来上がってしまいます。
睡眠は生きる上で必要なだけでなく、脳や心身を正常に保つためにも必要なのです。

4. 睡眠負債を改善するためには

まずは「早寝早起き」、規則正しい生活はもちろんですが、睡眠負債の改善には日中10〜20分ほど仮眠をとるだけでも変わってきます。その際は午後3時までに取るようにしましょう。
仮眠をとる時の注意点は、20分を超えるような長めの仮眠はとらないこと。
午後のパフォーマンスを落とすことに繋がり逆効果ですし、夜の睡眠にも悪影響を及ぼします。

目覚めたばかりの女性が窓際で朝の光を浴びながら伸びをしている

睡眠を促すホルモンに「メラトニン」があります。メラトニンは昼間の分泌が少なく夕方から夜にかけて多くなり、これは光の強さが関係していると言われています。
スマートフォンのブルーライトの光はメラトニンを抑制してしまいますので、眠る直前までスマートフォンを眺めているのは睡眠負債改善の妨げになってしまいます。
「朝起きたら光を浴び、夜は電気を消して寝る」という当たり前の行動こそメラトニンが分泌しやすくなる最良の過ごし方です。
「睡眠負債かな? 」とお感じになっている方は、この機会に日々の生活習慣を見直してみることをオススメします。

5. 良質な睡眠でカラダもココロの健康に

健康な身体を維持するためには、質の良い睡眠がとても大切です。
しっかり眠っているはずなのに、朝目覚めた際に疲れがとりきれていない感じがすることはありませんか?
そのような時は、当院のカイロプラクティックをお役立てください。
筋肉の緊張をほぐしていくと代謝が促され自律神経のバランスが整い、睡眠の質も徐々に改善していきます。
当院では、お一人お一人の症状に応じたアドバイスと施術をおこなっています。
疲れがとれにくいなどでお悩みの際は、ぜひご来院ください。

「健康維持」「身体バランス」「疲労解消」のことなら
大泉学園北口カイロプラクティック整体院